職人の技 Craftsmanship
菰 織 り
昔はどこの農家にも1台は置いてあった織機、現在ではほとんど見かける事がなくなりました。
矢野三蔵商店では数台の織機が現在も休む事なく菰を織り続けています。
今では新品の織機は入手困難です。壊れた部品は修理し、常に最高の状態で菰が織れる様に機械の面倒を見るのも菰織り職人の仕事であります。また、菰に使われている藁は酒米として有名な山田錦の稲藁を使用しています。日本酒の入った酒樽をその稲藁で織った菰で巻くという実に合理的な構図となっております。
転 写
菰樽の正面部分には髭文字で化粧された銘柄や、めでたさを象徴する鳳凰や松竹梅、鶴、亀などの絵柄が描かれています。その正面部分を印前(しるしまえ)と呼びます。職人による菰樽印前の制作過程の紹介です。
菰 巻 き
めでたさの象徴である菰樽。その菰樽を仕上げる(菰を巻く)職人を荷師と呼び、菰を巻く作業を荷造りといいます。もともと荷師の仕事は力が必要な為、男の仕事とされてきました。縄を締める力加減とバランスが仕上がりの良し悪しを決めます。
荷造りに使う道具
撥(バチ)
樫の⽊で出来ておりたたく、こする作業を担う。縄は叩いて締める事により菰に馴染みより強く締める事ができる。
針
柔らかく粘りのあるグミの⽊を削り出して作ったもの。
職⼈が⾃分の⼿に合った⼤きさ、形に仕上げている。現在はステンレス製の特注品を使⽤(⻑さ約30cm)
カマ
太い縄を素早く切るにはカマが最適。常に研ぎ澄まされた⻭は職⼈魂を感じる。
押し切り
昔は農家に必ずあった道具。樽の⾼さに対して菰が⻑すぎる時に使う。